私の田舎暮らし172 「我が家の自作の建造物」:特集

春野人

2010年06月22日 10:00

私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で10年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。


【写真】桁と桁の間や桁と梁の間に長い足場板を張り、桁から上の部分を自由に歩けるようにした。



 【写真】すでに張られた野地板(屋根板)の上に、足をかける垂木を取り付け、ここに足をかけて、屋根の上の部分の板張り作業が出来るようにした。
(172)私の田舎暮らし 我が家の自作の建造物:「特集」ログハウス建設苦労話
 
 棟上が終ったので、桁、母屋、棟に垂木を取り付け、これに野地板(屋根板)を貼り、この上に防水シートを敷き、この上にトタンを取り付ける作業が出来るようになった。高所作業であり、私は元々、高度恐怖症であるので、桁と桁の間や桁と梁の間に長い足場板を張り、桁から上の部分を自由に歩けるようにした。また、建物の周囲には、足場用の脚立を立て、これに足場板を渡し、建物の周りの高い所の工事がしやすいようにした。垂木の取り付け作業は、桁、母屋、棟を結ぶラインが直線状にない場合もあるので、これらを削ったり、かいもの(枕木)をしたりしながら一本一本正確に垂木を取り付けた。本来は建設時に厳密に計画をし、寸法出しを行っておればこのようなことをする必要はないのであるが、構造物に使う母屋や棟が丸太であり、技術的に高度な対応が出来なかったためである。 長時間かけて、垂木を取り付けたが、この作業は、前述のように足場を作っておいたので、安全で気楽な作業であった。また、自分で苦労して作った構造物の上に載り、景色を見回しながらの作業は、気分のよいものであった。

 次に垂木の上に野地板を張る作業が始まったが、これは、あらかじめ決まった寸法の板を屋根の軒下(樋の部分)から順番に張っていくものであり、今回の建設工事で最も技術的に楽な作業であった。しかし、大きな屋根に沢山の板を張る作業は、単純作業で、時間のかかるものであるので、この時だけは家内に屋根の下の部分を中心に手伝ってもらった。野地板は、軒先、すなわち屋根の下方から張って行き、次第に上のほうに移動していく。最初のうちは、家内は、建物の周囲に設置された足場板に乗って野地板を張っていたが、次第に高い位置になり、体を伸ばしても上のほうは、手が届かなくなった。そこで私は、すでに張られた野地板の上に、写真に示すような足を載せる垂木を取り付けてやり、ここに足をかけて、屋根の上の部分の板張り作業が出来るようにした。このような方法で、屋根の面積の7割近くは家内が板を張ってくれた。家内は最初はあまり乗り気でなかったが、調子が出てくると結構楽しみながらやっていた。近所の奥さんが、家内に「最近、金槌の音を聞いていると、2人で板張りをやっているようだが、誰か手伝いに来ているの。」と聞いたので、家内は得意になって自分が板張りを手伝っていることを説明したそうである。ログハウスを建てるような人は、よく夫婦が一緒に作業をしているが、私は何時も一人でやっているので、こんな質問をされたのだと思う。
                                 次回に続く
   
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