私の田舎暮らし237 「私の失敗談(3)」

春野人

2012年03月20日 21:57

春野町で田舎暮らしをして今年の6月で13年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。 
 【写真】落ち葉から頭を出した蕗の薹

(237)私の田舎暮らし 「私の失敗談(3)」ヒヤリハット

 ログハウスは、この地に移住後、3年目を迎えた頃から計画し、材料となる丸太を集め始めた。7.5坪の小さなログハウスであるが、300本近い丸太を集めたと思われる。この丸太集めは半年ほどかけ、抜き切りをされ、放置されている原木の枝を払い、一定の寸法に切り、谷底から一本一本引き上げる作業であり、今考えても本当に大変な作業であった。

 その日は、林道からかなり急斜面を下り、気田川の川原に近い場所で作業を行っていた。従って何か事故を起こしても人が探しに来るまでは、誰も事故に気がつかなく、放置されてしまうような場所であった。丸太を集める作業を始めてからは、このような場所で作業を行うことが多いため、怪我には絶えず注意をしていた。特に、足場の悪いところでチェーンソーを使うため、その操作には特別注意を払い、足などを誤って切らないように絶えず足の置場に注意して作業を行っていた。ヒヤリハット(ヒヤリハット活動:企業の現場で行われる事故防止活動。工場内の事故を減らすために、事故には至らないがヒヤリとしたことをお互いに話し合い、労働災害を減らす活動)を経験したのは、このような場所であった。

 いつものように搬出する木の枝をチェーンソーで払い、一定の寸法に切る作業を急斜面で行っていた。ところが、この太い木は近くの直径100mmほどの木を折らずに押し倒していた。従ってこの目的とする木を搬出するためには、この細くしなっている木を切るほうが作業がしやすかった。そんなことで不注意にも、このしなった細い木を取り除くためにチェーンソーで切り始めたのである。この細い木がほとんど切れたその時であった。この木が、ものすごい勢いで私の顔をかすめて跳ね上がったのである。私はとっさに後ろに転がるようによけて難を逃れたのであるが、一瞬の出来事に呆然としてしまった。もしこの木が私の顔面を襲っていたら即死か、でなくても意識を失い、誰も来ない山の中に長時間放置されていたであろう。私はしばらくの間、地面に転がったまま一瞬の出来事に驚くと共に、不注意にもテンション(張力)がかかった木を切ったことに対する反省と危うく難を逃れたことに対してほっとするとともに怪我がなかったことに対して感謝していた。

 後でこのことを近所の人で森林作業をしている方に話す機会があった。その人は、森の中で作業をするときには、抜き切りをして他の木に引っかかって倒れず途中で止まっている木や今回のように細い立ち木が共連にされている木を処理する場合には特に注意する必要があることを教えていただいた。昔からこのことが原因で怪我をしたり命を落としたりする人がいることを聞いて改めて守られたことに感謝をした次第であった。山仕事をするときは、どんなところに危険が存在しているかわからない。作業をするときは絶えず危険を予想し、それに対する対策を講じた後始める必要がある。立ち木を切る場合は、更に大きな危険を伴うが、まさか、すでに倒れている木を搬出するときにこのような危険が存在しているとは、考えもしなかったのである。                    続く

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