私の田舎暮らし238 「私の失敗談(4)」

春野人

2012年03月27日 00:28

春野町で田舎暮らしをして今年の6月で13年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。 
 【写真】ログハウスの梁(後から入れた支柱の上に設置されている)



 【写真】木工小屋の梁(構造材である柱の上に設置されている)
(238)私の田舎暮らし 「私の失敗談(4)」ログハウスの柱

 ログハウスの建設は、私としては、初めての建物らしい大きな小屋であり、それなりに力を入れて、また、勉強しながらの取り組みであった。本を読んで勉強したり、種々のチェーンソー操作が要求されるため、あらかじめ試作を行ったりして慎重に進めたはずであった。そんな中でほぼログハウスが建てあがったときに気がついた不具合であった。それは屋根板も張りその上にトタンも張りほぼ完成したときに気がついたことである。写真に示す様に、室内には、よく見ると部屋の中央の両端の窓の真ん中に部屋から少し飛び出した位置に柱が立っている。この柱は、当初の計画では、全くなかったものであるが不具合が生じ、後から付け加えたものである。

 ログハウスは、下から逐次積み上げていくので、建設が進むに従って次第に柱や桁にかかる荷重も増えていくが、ほぼ屋根も完成し屋根の加重が下の構造材にかかって来た時である。ある日、桁をぼんやり見ていて気がついたのであるが、柱の上に乗せた桁の上面が、本来は水平でなければならないのが外側に傾いているのである。これは桁の内側半分に屋根の重みを支えた梁により荷重がかかるために傾いてしまったのである。私は、途方にくれてしまい、ログ建設に経験のある方に相談し、どうしたらよいか相談した。その人は、梁の真ん中、すなわち部屋の真ん中に柱を立てて、桁にかかる重みをとることを提案してくれた。しかしこの方法は、部屋のほぼ真ん中に柱が立つので、部屋を今後利用する観点から、かなり使いにくくなることになり、気が進まなかった。

 もうひとつの対策は、梁の両端、すなわちガラス窓の中央にそれぞれ柱を立て、梁を介して桁にかかる加重をとる方法であった。この方法は、柱の位置が部屋の隅であるため、部屋を利用するときにあまり邪魔になることはなかった。しかし景観上は、不自然な位置に二本の柱が立ってしまうことになる。しかし対策としては、この二つの方法しかなく、いずれかを選択しなければならなかった。本来は最近立てた木工小屋の写真に示す様に梁を入れる位置は、柱の真上にして、この柱に梁の端部を少し掛け、荷重を取る方法が採られるのである。私は、このようなやり方を知らなかったことと梁の数を減らすために写真に示す様に柱のないところに梁を取り付けてしまったのである。色々考えた末、桁の両端にそれぞれ柱を立て梁の加重を受ける方法で補修をすることにした。
 
工事は、梁のほぼ真ん中に柱を立て、この柱の下にジャッキを取り付け、これを上昇させ、梁にかかる荷重をこの柱で受けることにより梁の両端を少し浮かせ、この部分に支柱を入れた。この支柱となる柱は、見えるところに使われるため、杉の丸太の皮を丁寧に剥ぎ取り、表面を布で磨いたものを用いた。また支柱を立てる土間には、この柱が載る土台をコンクリートブロックの穴をモルタルで埋め使用した。この工事の難しいところは、すでに寸法が決まっているところに支柱を入れるので、長すぎても短すぎても問題が生じることであったが注意深く工事を進めることにより、支柱を入れることが出来た。部屋の目立つ位置に入れられた二本の支柱は、一般的な日本建築ならば違和感が生じると思われるが、建物がログハウスなので、違和感もなく納まっているようである。
                                        続く



関連記事