私の田舎暮らし50 「手作り食品:味噌」

私の田舎暮らし50 「手作り食品:味噌」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で7年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(50)私の田舎暮らし 「手作り食品:味噌」

 味噌を作り始めて今年で4年目になります。手作り味でどうしても納得できないことがあります。それは,手作りの味噌がどうして買った高級味噌に比べておいしいのかということです。最近は、いろいろな高級な味噌が売り出されており、これまでにいくつか食べたことがありますが、どれと比べても手作り味噌はおいしいのです。これは我が家の味噌が特別おいしいのではなく、各家庭で作る味噌に共通したことではないかと思っています。私の素人考えでは,これは販売している高級味噌はどうしても作る量が多くなり、少量作る個人が作る味噌に比べて味の面で微妙な違が生じてしまうのではないかと思っています。我が家では、毎日の味噌汁のほかに夏は,採りたてのキュウリにこの味噌をつけて食べています。キュウリは,5月から11月まで5回ほど種をまき、収穫できるようにしていますが,キュウリは味噌をつけて食べるのが一番おいしいと思っています。我が家の味噌作りは,大豆の栽培から始まります。6月に広い畑を耕運機で耕し、7月の初めに種を蒔きます。種も直播をすればらくですが,豆を鳩に拾われてしまうのでいちいち苗を作りこれを植える方法を採っています。花が咲いたときに一度だけ消毒をします。この他に土寄せ,草取りなど真夏の炎天下での作業になりますので大変です。11月の半ば頃に大豆を根こそぎ引き抜きこれを約10本づつ藁で縛りこれを自宅に持ち帰り、庭に竹竿と杭で作った「はぜ」にかけて乾燥させます。乾燥後、ウッドデッキにブルーシートを張り巡らし、この中で台に実のついた枝をたたきつけて、殻から実を出し、これを唐箕にかけ豆と殻にわけます。豆は,更に手作業で選別しよい豆とくず豆に分けます。この選別作業は、夜なべ仕事でやりますが、なかなか根気が要る仕事です。こうして収穫された大豆は、薪ストーブの周りにゴザを広げ、よく乾燥させた後、冷蔵庫に保管します。我が家では,これを翌年の2月ごろに麹屋で麹を購入してきて味噌作りをします。味噌作りは,大きなお釜を庭に作った釜戸にかけ、薪をくべ大量に茹でた後,これを大きなすり鉢に入れ半潰しにした後,麹と塩を入れてよく混ぜ,樽に仕込み約半年寝かします。この間は、カビが生えないように出来るだけ冷暗所に置くことが必要です。我が家では,ログハウスが最適ですが、ねずみが心配で置くことが出来ず、母屋の納戸に置いていますが,ログハウスに比べてどうしても温度が高く,時々カビが生えてしまいます。我が家の味噌は、人にあげると好評ですので今年は、大豆をたくさん蒔きました。時々田舎暮らしはどうしてこんなに忙しいのかと思いますが、都会に住んでいれば味噌などはスーパーに行き買ってくれば終わりですが,手作り味噌となれば以上に述べたような数々の作業が必要になるわけです。これに似た仕事が田舎暮らしには、沢山ありますから田舎暮らしが忙しいのは当然といえば当然です。


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この記事へのコメント
「手造り」食品:味噌の労作報告を一気に
拝読しました。そんなご苦労があるとは、
知りませんでした。まさに汗の結晶なの
ですね。
 これからはこうした自給ができる技を、
個々人が身に付けていくことがとても大
切だと痛感しました。
 私は小さな庭で、ネギ、ニラ、パセリ
だけは切らさないように心掛けている
んですが、時々切らしてしまいます。
 この頃力を入れているのは、バラの
挿し木です。農業経営高校時代の
担任だったN君がバラ栽培家なので、
穂木になる苗が手に入るた、面白
半分に芽接ぎでなく、あえて簡便な
方法を試み、絶対に欠かせないと
言われている農薬消毒をしないで、
竹酢液で花を開かせています。
 味噌造り報告、面白かったです。
時間がたっぷりかかり、観察継続と
手抜きできない作業が厳然とある
ということに胸をつかれました。
Posted by 平松ゲキト at 2008年02月19日 08:15
平松ゲキトさんこんにちわ。
味噌作りの記事、早速読んでいただきありがとうございます。味噌、醤油は、日本が世界に誇ることの出来る代表的な食品だと思います。味噌作りは、手間隙がかかりますが、楽しみながらやっていますのではたから見るほど大変ではありません。春野は、今年は毎日寒い日が続いていますが、薪ストーブのおかげで室内は快適です。
Posted by タイちゃん at 2008年02月19日 09:09
手作りのお味噌。おいしいですね。
自分が手塩にかけた味噌だと、さらに美味しく感じられるでしょう。
ぼくも、田舎の親戚でいただく味噌汁の味が忘れられません。
だいいち、香りが違います。
「田舎暮らし」のどのレポートを読んでも、投下労働量の多さに、あらためて感じ入りますが、今回のレポートでは、その中で体験していらっしゃる「労働する喜び」が伝わってきました。よかったです。

暖かになれば、味噌汁をすすりに春野へ行きたくなっています。
Posted by 大阪の住人 at 2008年02月19日 09:17
私のお店でも味噌を手作りしていますが豆からすべて自家製とはすごいですね、昔は田舎のどのお家でも味噌などは作っていましたが今はみんな働きに出てしまい手作りなどしなくなりましたね、今年は頂いた天竜産、豊岡産の豆35Kと購入した富山産の豆30K計65K仕込みます、一日がかりの仕事です大豆の飴に味醂を入れたりいろいろ試しますが出来上がりは麹任せ神のみぞ知るですね!落花生を入れると美味しいとかで入れる人もいるみたいですよ。夏の暑い日胡瓜に生味噌付けて飲む冷たいビール最高ですね!私もいつか自分で大豆作って100パーセント自家製にチャレンジしてみたいな~!
Posted by きよみのまーちゃ(おやじ)きよみのまーちゃ(おやじ) at 2008年02月19日 19:03
家は春野のボロ屋ですが。。。
未だ「味噌部屋」と呼ばれる、土間のひんやりした場所(部屋)があります。今はただの物置です。
昔の農家はみな、自給自足だったですからね。そこで醗酵させると、どんな味噌になるか?いつか試してみたいと思います。その時はタイちゃんにご指導願います。
Posted by 春野のしいたけ屋 at 2008年02月19日 21:10
大阪の住人さん、暖かになりましたら是非、春野に味噌を味わいにきてください。

きよみのまーちゃ(おやじ)さんこんにちは。65kgも味噌を仕込むとはすごいですね。さぞかし、色々な本格的な道具がそろっているのでしょうね。

3月になったら、米麹を入手して、天気のよい日に庭に釜戸を作り味噌作りをします。これが終わると、昨年の秋から行ってきた手作り食品の仕事が終わり、ほっと一息つけます。
Posted by タイちゃん at 2008年02月20日 13:00
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