私の田舎暮らし241 「私の失敗談(7)」

私の田舎暮らし241 「私の失敗談(7)」春野町で田舎暮らしをして今年の6月で13年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。 
 【写真】我が家のコナラの大木             





私の田舎暮らし241 「私の失敗談(7)」 【写真】切り落とされた直径200mmほどの大枝の切口

(241)私の田舎暮らし 「私の失敗談(7)」コナラ大木枝打ちによる製材小屋の破損

 我が家には、シンボルツリーである樹齢50~60年と思われるコナラの大木がある。実はこの木の樹齢に関しては、近所の古老の方が言っておられる大まかな数字である。この木は根元が、二抱えほどもあり、コナラの木としては、この近所では、もっとも大きいと思われる。私はこの木が好きで、大切にしているが、最近、困ったことが起こってきたのである。それは、日本各地でブナ科のナラ類やシイ・カシ類が大量に枯れる「ナラ枯れ」が発生していることである。「ナラ枯れ」は、カシノナガキクイムシが集団で木に穴をあけ、菌を持ち込むことで発生する木の病気である。激害地では、真夏に突然、山が真っ赤に枯れることから「第二の松くい虫」と恐れられている。平成22年度は、30都府県で被害が発生したという。全国では被害量が5年間で約5倍に増加するなど急激に被害が拡大している。静岡県でも、平成22年度に浜松市内で初めて被害が発生したという。

 この病気は、コナラの若い木より古い木がかかりやすいと言われており、我が家の木も近い将来枯れる恐れが出てきたのである。実は、我が家のコナラの大木の下に製材小屋(4坪)と木工小屋(8坪)を建ててしまい、この木が枯れるとその大きな枝が落ちるなどして、屋根を破損させる恐れが出てきたのである。従って、木が生長して屋根に大きな枝がかぶさる前に、枝打ちをしておくことが必要になってきたである。枝の伐採といっても切る枝の太さが直径200mmほどもあり、切り方を失敗すると屋根をつぶしてしまう恐れがあるのである。

 枝の伐採に当たっては、被害を拡大させず安全に枝を切るために、色々私なりに考えた。まず、枝が落ちる方向、その枝を切るために木に登る方法、枝を切る道具、安全の確保などである。梯子で木のできるだけ高いところまで登り、目標とする枝の切断位置より出来るだけ先の部分にロープを掛け、このロープの他端を少し上の別の枝に掛けることにより、枝が切断され落下した場合に、途中でロープにより枝が支えられ、屋根の破損を防ぐように工夫した。このロープの他端は、近くの木の根元に縛り、十分枝の重みを支えられるようにした。このようにした後、片手で操作できるように電動の軽いチェーンソーを使い、枝が切断され、その勢いで体が弾き飛ばされないように、体を出来るだけ切断部より離し、ゆっくりと様子を見ながら切断を始めたのである。

 切断を始めて枝が重みで少し下がった時である。予想に反して切断部分より先に枝の先端部が支えたロープを支点として落ちてしまい、その下の製材小屋のトタン屋根の端を破壊してしまったのである。その時ものすごい音がして、家内が家から飛び出してきて「どおしたの。木から落っこちたと思ったわ。」と叫んだ。また、約50mほど離れている近所の家の人が、すぐその後で家内が会った時「ものすごい音がしたが何かあったの」とも聞かれたほどであった。結局失敗したのは、ロープをもっと枝の先端に近い部分に掛けられなかったことが原因であった。

 大きな枝を怪我もなく切ることは出来たが、製材小屋の屋根の一部を壊してしまい、枝打ち作業としては大失敗であった。しかし、屋根の補修は、自分で作った建物なので、ベコベコになったトタンと破損した垂木を交換するだけで、半日ほどで補修することが出来た。このような枝打ち作業は、業者に依頼すれば、レッカー車で切る枝を支えておいて切ることになるが大事になるし、お金もかなりかかるが、そんなこともなく、幸い怪我も無く、作業を終わることが出来、ほっとしている。

 それにしても、コナラを枯らす虫が全国に広がっていることは、かつて全国で猛威を振るった松枯れ虫のことを考えると、これは憂慮すべき問題である。秋になると春野の山に所々に紅葉する木は、ほとんどコナラである。この木がなくなってしまったら、杉や檜ばかりになり、今でも単調な山が更に変化に乏しくなり、秋になっても紅葉が楽しめなくなり、また椎茸のホダ木もなくなってしまうのである。
                                 続く
【参考資料:静岡県ホームページ】



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この記事へのコメント
私も『樋元』だと思います。

昭和40年代後半まで樋水を使っていました。
圧力は無く、今思えば衛生的であったかもしれません。樋は落ち葉が水を止めたり、鳥の水飲み場になっていた話を聞いたことがあります。
Posted by 昔 春野人 at 2012年04月18日 23:34
「昔 春野人さん」はじめましてこんにちわ。
樋水については、隣といっても100mほど離れていますが、田舎暮らしの師匠でもある方から、話をよく聞きます。
私も樋水をやりたいのですが、アスファルトの道を横切って作ることは出来ませんのであきらめています。
その代わりといっては何ですが、自作の作業小屋と薪小屋の樋は、孟宗竹を二つ割して使っています。
Posted by タイちゃん at 2012年04月19日 04:42
時々、故郷を懐かしく思い、拝見させていただいております。 

記入場所を間違えたようで 申し訳ありません。

それから、衛生的ではなく、非衛生的の誤りでした。
Posted by 昔 春野人 at 2012年04月19日 08:15
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