私の田舎暮らし55 「手作り食品:干し柿」

私の田舎暮らし55 「手作り食品:干し柿」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で7年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(55)私の田舎暮らし 「手作り食品:干し柿」

 我が家には,甘柿が3本と渋柿が1本ある。これはいずれもこの土地を入手した年にすぐに植えたものである。いずれの木も現在は実がよくなるが、収穫できるのは隔年である。実は、収穫できない年でも少しは実をつけるが、カラスが来て全部食べてしまうので、人間の口には入らないのである。柿の実がよくなる年は、各家でもたくさん実がなり、他の果樹や山の木の実も豊富なのでカラスの被害はほとんど無いのである。去年の秋は、特に果樹や山の木の実が豊作であり、カラスは、柿などは目もくれなかった。12月になり、周りに餌が少なくなった時点で初めて、未だ木に残っている柿をつついているカラスを見かけた程度であった。カラスばかりでなく、今年は、熊の出没も少なかった。自然の恵みが豊かであると野生動物と人間とはうまく共生できるのである。よく熊が里に出没するのは山に餌がないからであると言われるが、去年の秋はこれをいみじくも証明する年であった。やはり熊が里に出没するのは人災であり、その熊を射殺するのは、人間のエゴと言わざるを得ないと思う。さて柿の話に戻るが、甘柿と渋柿では、渋柿の方がずっと元気がよく実もたくさんつけるし、木が大きくなるのも早い。渋柿は、4年程前から実をつけだしたが、なり年には最近は大きな実を400個ほどもつける。この部落では、どの家にも渋柿の木があり、11月の末から各家では、渋柿を収穫し干し柿にする作業が始まる。私も皆のまねをして干し柿を作り始めたが、なかなか美味しい干し柿を作ることは難しい。前回の時は、300個ほど作ったが、乾燥しすぎてしまい、硬くなりすぎ、誰も食べてくれない状態になってしまった。私は歯がよいのと捨てるのがもったいないので、これを毎日5,6個づつ食べたが、最後は本当に食べるのが苦痛であった。我が家では、渋柿は赤くなったものから、柿をつるすときのことを考えて、柿の実のへたの先に小さなT字型の吊るししろをつけながら収穫している。一度に、大バケツにいっぱいほど収穫し、夜なべに皮むきをする。一つ一つ皮をむく作業は、決して楽でなく、手は柿渋でヌルヌルで、黒くなってしまう。皮を剥き終わるとこれを、ログハウスの軒に長い竹の棒を渡し、これに紐を縛り付けて、この紐に柿を7,8個づつ吊るしていくのである。干し柿を作るときの気象条件は、気温が低く太陽がよく照り、かつ冷たい風がよく吹くことである。この条件では、柿がよく乾燥するのである。雨降りが続いたり、天候がよくても暖かい日が続くと乾した柿が腐ってしまう。程よく乾しあがった柿は、10個づつぐらいビニールの袋に入れ、冷凍保存するのがもっとも無難である。乾しあがった後、菓子箱に一列づつ入れ保管すると白い粉がふくと言われてやってみたが、先にカビが来てしまいうまくいかなかった。また物の本には、乾し上がった後、稲わらに挟んでおくと白い粉がふくと書いてあり、やってみたがこれもカビが先に生えてしまった。お店で売っているような立派な干し柿を作るには、まだまだ色々と勉強が必要である。


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この記事へのコメント
今週の「田舎暮らし」もなかなか読みごたえのある興味まんまんの記事でした。
ウチにも甘柿があります。まったく手入れをしないので、たいした収穫はないのですが、それでもかなり甘い実をつけます。
「捨てるのがもったいなくて、毎日5,6個食べると、しまいに苦痛になる」。思わず噴き出しました。
干し柿にも、やはりプロならではの技術と苦労があることを知りました。秋になると、農家の庭先で秋の日に照らされている柿の実の風景がTVで流れますが、その陰でご苦労な作業があることを知りました。
Posted by 大阪の住人 at 2008年03月25日 20:41
大阪の住人さん、こんにちわ。
「捨てるのがもったいなくて、毎日5,6個食べると、しまいに苦痛になる」ですが、
これ本当に大変でした。
干し柿は乾すと小さくなりますが、干す前は次郎柿とほぼ同じ重さがあります。
これを毎日一度に5,6個も食べるのですからわかってもらえると思います。
干し柿は、沢山食べることは出来るのですが、しばらくするとお腹が張ってきて
食べ過ぎると苦しくなるのです。
人が作ったものならば決して食べないと思いますが、小さな柿の苗から育て、
収穫し、一つ一つ皮を剥いて乾しあげた柿は愛着があり、とても捨てる気持ちに
なれないのです。
家内に言うと馬鹿にされますので言うこともできません。
Posted by タイちゃん at 2008年03月26日 06:14
「その苦しさを家内にも言えません」。
ますます、その気持ちがよくわかります。
しかし、5~6個も食べるのは、まさに苦行ですね。捨てるに捨てられず、さりとて食べもならず。
はた目からは喜劇です。
Posted by 大阪の住人 at 2008年03月26日 08:43
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