私の田舎暮らし93 森林「森林と動物」

私の田舎暮らし93 森林「森林と動物」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で7年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

【写真】ヒヨドリ

(93)私の田舎暮らし 森林「森林と動物」

 私の住んでいる部落の周辺にはいろいろな野生動物がいる。確認されているのは、鹿、カモシカ、イノシシ、野ウサギ、狐、狸、あなぐま、はくびしん、イタチ等であり、熊も2年ほど前に5kmほど離れた部落に出没した。鹿やカモシカに会うとわくわくした気持ちになり、何か心が豊かになる。最近も夕方帰ってくると道路のそばの樹木の中にカモシカの親子がいた。車を止めて家内としばらく見ていると、親カモシカがゆっくりと森の中に入って行っても子供はしばらく我々のほうを見ていたが、しばらくするとあわてて母親の方に駆け寄っていった。鹿にもよくタイちゃんの散歩の時に出くわすが、鹿はカモシカと違い、我々を見つけると一目散に枯れ枝を踏み砕くパキパキという音とともに逃げ去ってしまう。カモシカと鹿の人間に出くわした時の行動の違いは、鹿は狩猟対象動物であり、カモシカは保護動物であることに起因していると考えられる。森林と動物は、大切な共存関係にあり、野鳥を例にとると野鳥は木の実を食料としているが、その代わりに木の実を糞として方々にばら撒き、木の子孫の維持に協力している。私の家にはアオバラという木がある。この木は私がここに引っ越してきた年に自然に生えた木であるが、今では5mほどの高さに成長し、3年ほど前から小さな実をつけるようになった。この実が野鳥の大好物であり、秋から冬にかけて沢山の鳥がやってくる。メジロは群れでやってきて、チーチーと盛んにさえずりながら実を食べている。特にヒヨドリはこの実が大好物であり、先に来ていた小鳥を追いやり、キイー、キイーとやかましく騒ぎ立てている。このアオバラの木も野鳥が私の土地に来て糞をし、成長したものであるが、現在は、私の家のアオバラの木の実を食べた野鳥がこの近くの森に種を蒔いているのである。また私の隣の家にはセンダンの大木がある。この木に秋から冬にかけてヒヨドリがたくさんやってくる。その関係で私の家の近くには所々にセンダンの苗が生えている。私もこの苗を抜いてきて3年ほど前に家の裏にセンダンの木を植えた。この木が今では3mほどに成長し、来年あたりには花が咲き実をつけると思う。また森林は野鳥にねぐらを提供しているが、その代わり野鳥は、森林の害虫を食べ、駆除しているのである。今年の春から夏にかけ、去年私がかけた巣箱のひとつに最初はヤマガラが、次にシジュウガラが入った。ヤマガラは5つの卵を、シジュウガラは7つの卵を産んだ。私はよく少し離れた場所から親鳥が餌を運んでくる様子を観察した。雛に与える餌は、約1時間に一回必要と言われるのでヤマガラは12分に一回、シジュウガラは8~9分に一回親鳥は虫を運んでくることになる。 ハタネズミは、草や木の根を食べる害獣である。ハタネズミが多すぎると肝心な森林の根などが食い尽くされてしまう。野鳥などが、これらを餌食するお陰で絶妙なバランスが保持されるのである。このように森という大きな生態系の中で、野生動物は重要メンバーである。野生動物は、今私たちにさまざまな課題を投げかけている。生息場の減少と個体数の減少が心配される一方、農林業への被害も広がっており、この部落でも野菜と果樹の栽培は、また野鳥との戦いでもあるのである。

 『自然は指揮者のいない弦楽四重奏のようなものです。人間が、その一部であるのを忘れ、全体のバランスを崩すと、演奏は台無しになります。一つの種が死滅すると、我々は、その分だけ重大なリスクを背負うのです。・・・植物学者 カール・ニクラス』



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