私の田舎暮らし95 森林「森林調査-2」

私の田舎暮らし95 森林「森林調査-2」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で7年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(95)私の田舎暮らし95 森林「森林調査-2」

 私がこの地に来たのは2001年6月1日である。1年後の2002年10月から翌年1月までの4ヶ月間私は、土日を除き、毎日、森林調査のため春野の山をくまなく歩いた。この調査は、私が森林に興味を抱くようになり、この地を短い期間に把握し、肌で感じることが出来た又とないよい機会になった。またこれを通じて一緒に仕事をした春野在住のUターンの有能で春野の将来を熱心に考え、行動している青年たちとも知り合うことが出来、その後の私の春野での生活楽しく豊かなものにした。この森林調査は、春野の民有林1000箇所を歩き、森林の状態、すなわち生育状況(10m四方の木の本数、樹高、下草の有無、土壌の軟らかさ等)を調査するものである。この調査は、静岡県が春野森林組合に委託したもので、森林組合のOBが指導員となり、作業員を一般から募集したものである。以下数回にわけこの森林調査について記述する。なお、この文章は、「広報春野」に掲載されたものを一部加筆したものである。

朝の七時半に土場に集合し、林道を車で行けるところまで行き、後は歩くのであるが、お腹がすいたので時計を見るとまだ十時ということがよくあった。午後は、更に時間の経つのがおそく、2時頃になると足が前に進まなくなり,終了の4時半まで時計ばかり見ていた。帰宅するとすぐに風呂に入り,夕食を早めに食べ,早寝する日々がしばらく続いた。こんなありさまだったので、気田地区の山とはどんな恐ろしい所かと最初から不安になった。しかし、不思議なもので,次第に体が慣れ,この仕事の終わりの頃には,体重も五キロほど痩せ‘険しい気田地区の山を一日中歩いてもけろっとしていた。 
10月から山歩きが始まり、約4ケ月間なので春野の秋と冬の山を経験できた。秋の山は紅葉がとてもきれいで,落ち葉を踏みしめ山の中を歩きながら,会社の昔の同僚達のことを思い出し、 「彼らはかわいそうだな。こんなよい日に机にかじりついているのだから」といささやかな優越感に浸ったりしていた。しかし,冬の山は,想像以上に厳しいものだった。一月に春埜山 (883メートル)に行ったが,谷川にはツララが下がり,道は凍りついていた。山に入っても吹雪で前が見えなく、足は積雪でとられ、しばらくすると、足と手の先がかじかみ痛くなった。早々に仕事をすまして下山したが,車の暖房をフルにかけてもしばらくは,足と手の冷たさはとれなかった。 
山の中では、よく色々な動物に会い、一時の爽やかさと楽しさを味わうことができた。会った動物は鹿,カモシカ,イノシシ、ハクビシン、狸、狐、野ウサギ、リス,猿,マムシ等であった。カモシカは、いつも独りでおり、我々と一定の距離を保ちながら可愛い目でこちらを見たりしている姿は印象的であった。けわしく崩れた崖道をおそるおそる横切っていた時である。上の方をカモシカが横切り石を落としてきた。「オーイ気をつけて歩け、危ないじゃないか」と誰かが叫んだ。森の中に爽やかでやさしい空気が流れたひとときだった。鹿は、カモシカと全く正反対である。いつも五、六頭の群れを作り、人を見ると枯れ枝を足で踏み折るパキパキという音を立てながら森の中を駆けていく姿は壮観だった。カモシカと鹿のこの様な違いは、カモシカが保護動物で鹿はそうでないことによるのだろう。何か複雑な気持ちにさせられた。


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