私の田舎暮らし97 森林「森林を守る-1」

私の田舎暮らし97 森林「森林を守る-1」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で8年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(97)私の田舎暮らし 森林「森林を守る(静岡森づくり百年の計)-1」

 私は、春野町の森林調査に参加して森林が思いのほか荒廃していることを身をもって感じ、何とかならないかという気持ちを強くされた。また、春野には、林業のほかに、お茶や椎茸等も栽培されているが、春野の再生には林業の復興が欠かせないと思う。こんなとき、静岡県が平成14年に「森づくり100年の計委員会」の委員を公募した。以下に示すものは,県の森林計画室が行った「森づくり100年の計委員会」の委員の公募に対して私の書いた小論文です。思いがけず県民委員として採用され,約二年間、先生方と共に仕事をさせていただくことになった。静岡県は,この事業を通じて持続可能な森林経営を企画し、実行に移すことにより静岡県の森林を良好な形で維持していくことを目指している。

[小論文】環境と森林・林業
  森づくりを考える場合、その計画が長期にわたり資金的に見通しがあり、かつ地域に根づいていることが大切である。ここではこの観点から、①「財源の確保」、②「広葉樹林導入による地域の活性化」、③「既存の杉、檜を中心とした林業の活性化」 について考えてみた。
①「財源の確保」については、森林税(仮称)の導入、将来わが国でも導入される可能性もある炭酸ガス税を考える。炭酸ガス税の一部を森づくりの事業に適用することは森林が炭酸ガス抑制対策として大きく寄与出来ることに準拠するものである。
 ②「広葉樹林導入による地域の活性化」については、次の様に考える。現在、県内の森林は、杉、檜が中心であり、このことが森の保水力の低減、水害、川の水量の減少、鳥獣による農作物苗木への害、森の景観の低下をまねいている。広葉樹林を増やす方策としては、荒れている国有林の利用、森林(杉、檜)の伐採時にはその跡地の植林には何割かは広葉樹を植えることを義務づける等が考えられる。広葉樹林と杉、檜が調和した魅力ある美しい森林と清らかな水辺を作り、ここにこの地域を活性化するための方策を導入する。すなわち一つは高齢者対象のケア施設の誘致である。最近この種の施設の必要性はますます高まり、将来、豊かな自然を充分取り入れた施設に対する需要が高まることが予測される。もう一つは、田舎暮らしを指向している人々の誘致である。近年、田舎暮らしを望んでいる人々は年々増加し、将来もこの傾向は続くものと考えられる。美しい森と水辺のある地は彼らにとって魅力ある場所である。定住を志す者には、市町村が優遇措置を、別荘に住みたい者には、無責任なデベロッパーの代わりに市町村が責任を持って斡旋する。これら二つの施策をこの地に導入することにより、過疎地域での働き場所の提供、人口減少の抑制、新しい血の導入がなされ、地域の活性化が行なわれる。
③「既存の杉、檜を中心とした林業の活性化」については、一案としては①森林資源のバイオ技術による自動車燃料の製造、②間伐材のログハウスヘの利用がある。前者は近い将来ガソリンにバイオ燃料を約10%混入させる計画があり、そのバイオマスとして有望と考えられる。後者は最近ログハウスが住宅として人気が高まっており、都市その近郊でも建設されている。杉はログハウス用材として最適であり、特に間伐材の適用はコスト面で有利である。しかし、既存の杉、檜を中心とした林業の活性化の問題は容易ではなく、早急な抜本策は困難であるのが現状と考える。いかなるアプローチが適当かは、地域的な問題も関係するため、広く一般から英知を結集し、これに基づく詳細な検討が必要である。このために、先にかかげた資金を優先的に活用し、研究とその実用化事業に適用していくことが必要である。


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この記事へのコメント
小論文、拝読させてもらいました。
新しい視点を得られた気がします。

行政はあてになりません。民間の
スピードある具体策の具現化が
急がれのではないかという感想を
持ちました。

心からなる声援を送ります。頑張って
ください。
Posted by 平松ゲキト at 2009年01月14日 19:56
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