私の田舎暮らし134 「田舎と都会の違い」:飲料水

私の田舎暮らし134 「田舎と都会の違い」:飲料水私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で9年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。 

【写真】新設された簡易水道設備
(左は大半が地下に埋められた大きな貯水タンク、右は水浄化設備) 


私の田舎暮らし134 「田舎と都会の違い」:飲料水
 



【写真】旧水道設備(小型の貯水タンクのみからなる)

(134)私の田舎暮らし 「田舎と都会の違い」:飲料水

 よく私の家内は、「田舎に来て一番なくてはならないもの、大切なものは水だ」という。私の住んでいる部落は本当に水に恵まれており、一年中、冬の2月でも水源の水が涸れることはない。タイちゃんを散歩に連れて行くと、タイちゃんは水のあるところを知っており、下草がびっしりと生えた木立の中を谷底まで降りて行き水を飲む。タイちゃんの姿は木立の陰になり見えないが、水を飲むペチャペチャという音だけが聞こえてくる。そしてしばらくするとあえぎながら、木立の中を登ってくるのである。この部落の飲料水の水源は、皆が住んでいる場所から標高差で30~40m上の山裾にある。ここは山の急斜面の切れ目から水が滾々と湧き出ており、我々の部落15軒は、この水を飲料水に利用している。私がこの部落に来たころの飲料水設備は、簡単なもので、この水源にコンクリート製のタンクを造り、そこから昔の住民が苦労して塩ビ配管を各家に張り巡らしたものであった。この設備が出来る前は、各家は、それぞれ近くの谷川や湧き水があるところから、竹樋を何本も接続して家の近くに置かれた水溜めまで導いていたと言うから、この飲料水設備は画期的なものであったに違いない。今から4,5年前に自治体の補助でこの水源に新たに簡易水道設備が造られ、現在はこの施設から各家に飲料水が配水されている。古い水道設備もそのまま残し、畑の水遣りや池の水などに利用されている。私はこの水を古い石臼に注ぎ野鳥の水飲み場にしているが、愛犬タイちゃんも散歩の行き帰りの水飲みにこれを利用している。春野町は古くから存在する部落でも私の部落のように水の豊富なところは少なく、毎年、渇水期には、水が不足するところがあると言われる。ましてや、都会の不動産会社が作った春野町内の別荘地は、冬の渇水期には水が不足がちであるという。神戸にいたときの水道水のまずさはひどく、夏などは水が生ぬるくカビの臭いもして、冷やさないととても飲めない代物であった。神戸市は、近くに大きな川がないため、水の多くは遠く琵琶湖から引いており、かび臭がするのもいたし方がないとあきらめていた。このまずい水の水道料金が結構高く、夏期に庭や家庭菜園に水遣りをするにも水道料金を気にしながらやっていたことを思い出す。これに比べて現在私の住んでいるところは、水道料金は一ヶ月千円であり、しかもいくら使ってもよいのである。私がこの部落に来たころは、先に述べた古い水道設備が使われていたので一ヶ月の水道料金は100円であった。こんな安い料金で、南アルプスの裾から湧き出す冷たくておいしい水が飲め、しかも水道料金を気にすることなく自由に使えるのである。


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この記事へのコメント
タイちゃんが、谷水をおいしそうにペチャペチャと飲んでいる姿を想像しています。

タイちゃんだけでなく村の皆様が、天与の甘露を飲まれていることに、羨望の念を禁じ得ません。

大阪の水は、水道局が自慢するように、高度浄化水なのだそうですが、
とてもじゃないが、春野の水には及ばないようです。

春野し うるわし
Posted by 大阪の住民 at 2009年09月29日 11:04
「大阪の住民」さんこんにちわ。
今年の春野は、7月は毎日、毎日雨で、その後、約40日間、雨らしい雨がありませんでした。
この時は、古い水道を使って、スプリンクラーで花壇や畑に水やりをしました。
しかし強烈な太陽で土がすぐに乾いてしまい、本当に雨が望まれました。
そんな時、約40日ぶりに雷とともにたった30分間でしたが、土砂降りがあり、水不足が一挙に解消されました。
本当に自然の雨のありがたさを実感した次第です。
Posted by タイちゃん at 2009年09月29日 17:59
タイちゃんさん こんばんわ。
7年間 非常勤勤務したので、神戸の水道水の不味さはよく理解できます。
「灘の銘酒」から、美味しい水を想像していたのでとても意外でした。

娘が大学に入学した際、下宿の設営に行って飲んだ京都の水道水も酷いものでした。同じ琵琶湖の水ですから仕方ありませんね。

気田部落から見上げる高い位置の御地で、豊富に水が湧き出るのは何だか不思議な気がします。

当市では 徳山ダムから木曽川への導水路を作るべきか 作らざるべきか、県知事~市長の論戦が始まっています。
Posted by 尾張仁 at 2009年09月29日 21:56
「尾張仁」さんこんにちわ。
「気田部落から見上げる高い位置の御地で、豊富に水が湧き出るのは何だか不思議な気がします。」についてですが、
私の部落の標高は、320mですが、この背後にかなり深い山があり、その標高は、最も高いところで500mを超えます。
このおかげで、われわれの部落は水に恵まれているのだと思います。
Posted by タイちゃん at 2009年09月30日 10:04
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