私の田舎暮らし150 「田舎と都会の違い」:昼夜の寒暖差

私の田舎暮らし150 「田舎と都会の違い」:昼夜の寒暖差私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で10年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。 


(150)私の田舎暮らし 「田舎と都会の違い」:昼夜の寒暖差
 
  都会、特にビル街などは、ほとんどが舗装されており、土が見えるところは少ない。唯一、土があるのは街路樹や花壇がある所だけで、あとはすべてアスファルトやコンクリートで覆われている。だから夏季は、このアスファルトやコンクリートが蓄熱材となり、夜間上空の空気の温度が下がってもここから熱を放出し続け、なかなか気温が下がらないのである。もし土の部分があれば、そこに含まれる水分が蒸発する時に周囲から蒸発に必要な熱を奪うため、周囲の温度を下げる働きをする。私の住んでいた神戸の住宅街は、道路や歩道はアスファルトであったが、各家には庭があり、樹木や花が植えられていた。従って、都会のビル街のようなことはないが、夜になっても温度が下がらず、夏は寝苦しい夜を経験した。
現在の私の部落は、標高が320mあるので、旧浜松市内と比べて温度が数度低いが、それでも真夏の日中は、30度を超える日が続く。しかし、日中でも風のある日は、家の周囲が森林に囲まれていることから、木々の間を貫けて来るが風が、木の葉から水分を蒸発させ、このときの蒸発熱により風が冷やされるので、結構気持ちのよい風が吹いて来るのである。例えば、湖の湖面を吹いてくる風が水の温度を1度下げても1カロリーであるが、この風が1グラムの湖水を蒸発させれば約540カロリーの熱が風から奪われるので、風は冷たくなるのである。しかも、森林は湖面に比べて、葉っぱがびっしりと繁っており、水分が蒸発する表面積が大きいため蒸発熱による温度低減効果が大きいのである。この他に森林は、炭酸ガスを吸収し、その代わりに酸素を発生させたり、雨水を蓄えたり、土壌の侵食を防ぐ治水や利水的役割もある。この地に来てからは、夏季でも冷房は使うことはないが、それでも一年のうち数日は風が吹かないむっとした日がある。この日だけ我慢すれば、この地では、夏でも冷房は必要ないのである。この数日の暑い日も、夜になれば一気に気温が下がり、夏でも夏布団無しでは寒いのである。
森林の大切さは、特に最近は地球温暖化対策でも注目されているが、人間が豊かな生活していく上でなくてはならないものなのである。日本は島国で国土の面積が小さな国であるが、世界のほかの国に比べて、豊富な森林がある。これはわれわれの祖先が、努力して森林を守ってきたおかげであり、現在生きている私たちも祖先にならって後世のために森林を維持発展させていかなければならないものである。しかし、現在は、木材の値段が下がったという理由だけで、戦後日本中を上げて植林された杉や桧が、伐採期を迎えても放置され、山が荒れ始めていることは、なんとも残念な話である。静岡県をはじめ、いくつかの県はこのことに注目し、数年前から森林税を課し、荒廃森林の再生に乗り出したが、この運動が全国的に普及していくことが大切である。


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