私の田舎暮らし178 「我が家の自作の建造物」:特集

私の田舎暮らし178 「我が家の自作の建造物」:特集私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で10年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

【写真】完成したログハウス


※しばらく夏休みを頂き投稿をお休みしました。
再開させて頂きますので今後ともよろしくお願い致します。



(178)私の田舎暮らし:「特集」ログハウス建設苦労話20

 ログハウスの建設には、約3年も要してしまった。これは、私は、在職中には、このような経験をしたことがなく、また、間伐材を集め、製材をすることから始まり、建物の基礎からや屋根まですべて一人で行ったため、色々調べ、練習をしながら、一つ一つの技術を習得しながら行ったためである。従ってこれらの作業はすべて初めてのことであり、苦労はするが、技術を習得し、ものを完成すると言う喜びがあり、傍目には大変に見えるが、本人は、楽しみながらやっていたのである。しかしこのような方法でログを建設することは、建築中の構造材の腐食との戦いでもあった。一般的な木造建築は、棟上を行い、約一週間後には、屋根が葺かれる場合が多いので、柱や基礎や棟などが雨に長期間さらされることはない。しかし、ログの場合、下から丸太を積んでいって、最後に屋根を付けるので、どうしても雨にさらされる期間が長くなる。しかも私の場合、上記のような方法を採ったため、建物に組み込んだ材料を長期間、雨にさらさなければならないことになってしまったのである。

特に縦置きの柱より、横置きの基礎やフィラーログ(ログハウスの壁として用いる丸太)などの腐食が顕著であった。これは、柱など縦置きの材料は、水切りがよいのに対して、基礎やフィラーログは、横置きのため水切りが悪いためである。また、雨で濡れた後、太陽光で乾かされ、また雨で濡れるといった「ドライ&ウエット」の状態になることも木材の腐食を促進することにもなる。金属もそうであるが、材木も常に水に漬かった状態より、「ドライ&ウエット」の状態のほうが腐食が促進するのである。例えば、松の木を切って、そのまま放置すると数年で腐ってしまうが、これを橋の材料などに使い、水に常時浸かった状態にしておけば何十年も腐ることがないのである。

私は、研究生活を長くやっていたこともあり、一つのことを何年も考えたたり、実行することは、何とも思わないし、かえって楽しい。しかし、3年もかけてログを建設して、しかも途中で基礎やフィラーログが腐ってきてしまうと、はたしてログを完成することが出来るだろうかと弱気になったこともあった。しかし、本来、私は楽天的な性格であるのと、すぐに苦労を忘れてしまうので、しばらくすると元気になり、しつっこく作業を続けたことが、何とかログハウスを完成できた原動力であったと思っている。

 ログハウスを建てて気がついたことであるが、ログというのは、素人が建ててもそれなりに味があり、素人の荒削りの部分も返って、味わいがあったりして本当によい建物だと思う。これが一般的な日本建築だとそうは行かず、技術が未熟な部分はそのまま目立ってしまうのである。

以上、読者からの要望もあり、「ログ゙ハウス建設苦労話」を20回連載したがこれで終了して、元の連載「我が家の自作の建造物」に戻ります。少し冗長になった感もあり、反省しておりますが、長い間、読んでいただき、ありがとうございました。



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この記事へのコメント
連載楽しく実感しました。小生は、リタイヤして中古の山荘を入手し日曜大工程度の技能で外壁塗装、ベランダ張替え、居間の増築、3坪の倉庫、薪乾燥棚
などを10年近くかけてなんとか出来た
感があります。
 大工さんにポイントを確認しながら手掛けたのが良かったかなと自己満足してます。反省は、電動工具を効果的に使えていなかったこともあって、きれいな仕事が出来ていないことです。
Posted by 備前市の おかだ です at 2010年09月07日 14:15
[備前市の岡田さん」こんにちわ。
私も大工さんには本当に何回も来て頂きき教えてもらいました。
やはり本だけでは、なかなか理解できないところがあります。
電動工具は、いろいろなものが出ており私も利用していますが、丸鋸をいかにうまく利用できるかが私の場合はキーポイントだと思っています。
Posted by タイちゃん at 2010年09月07日 19:49
「タイちゃん」さん お早うございます。
微に入り細をうがった解説、毎回楽しく読ませて頂きました。
長期連載お疲れ様でした。

一軒おいた東隣で、木造住宅らしい新築工事が進んでいます。
家が載る部分は、地表約40cmまで一面コンクリトが打たれ、更にその上に建物の土台となる部分が、40cm高さの枠状に仕上がっていて、ここにアンカボルトが多数埋め込まれています。
ここまでやれば、地中からやってくる?シロアリには効果があるのでしょうが、最近は空中を飛翔してやってくる「アメリカカンザイシロアリ?」なるシロアリが国内で増加中(被害マップがインタネット上にあったと思いますが・・・)だと聞きました。
拙宅にもこれによるものと思われる食害部位があります。

貴台ご自身は、シロアリ対策にどのようなお考えで対処されておられるのか、ご教示頂ければ幸甚です。
Posted by 尾張仁 at 2010年09月08日 09:23
「尾張仁さん」こんにちわ。
私の家は鉄骨であることもあり、シロアリ対策は何もしておりません。
本当は、鉄骨といっても、木造部分がありますので、すべきだと思っておりますが、今のところは被害がありません。
ログハウスは、土台などはクレオソートを塗ってありますが、長期間、効果があるのかどうかは定かではありません。
Posted by タイちゃん at 2010年09月08日 21:48
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