私の田舎暮らし 29「ログハウスの建設⑤」

私の田舎暮らし 29「ログハウスの建設⑤」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で6年になりました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(29)私の田舎暮らし「ログハウスの建設⑤」

 ログハウスを作るにはまず基礎工事をする必要がある。地面に2.5間×3間の大きさで、幅約50cm、深さ約40cmの穴を掘り、ここに「捨てコン」という生コンを厚さ約30cm程度流し込み、この上に重量ブロックを並べて土台を作るのである。炎天下でつるはしとシャベルで穴を掘るのであるが、石が多く土が固いため想像以上に大変であった。毎日少しづつ堀り10日ほどかけて穴を掘った。パワーシャベルがあれば数時間て終わる仕事である。この穴に「捨てコン」を流し込むのであるが、これを練るための箱をコンパネ(コンクリートパネル)で作り、この中で人力で練った。幼少の頃よく道路上に鉄板を敷き、その上で土方が砂利と砂とセメントを二人で練っている姿をよく見かけた。鉄板の両側に立ち、調子を合わせながら上手に練っていた姿を思い出す。あれを一人でやるのだが、やったことがある人はわかると思うが、これがまた大変な作業であった。一人でやる場合は、まずセメントと砂をよく混ぜておき、この上に砂利を均一に敷き、この上に水をできるだけ均一にかけ、生コン用のシャベルを使って練るのである。この方法は最初から採用したのでなく、当初はセメント、砂、砂利を一度に入れ、これに水をかけて練った。この方法だとセメント、砂、砂利を均一に混合するのは難しく、労力も前記の方法に比べると倍近く要した。生コン造りは、本当に大変な作業であり、滴る汗が目に入り、時々目を水道水で洗いながら行った。砂と砂利は、10kmほど離れたところに軽トラを何回も走らせ買いに行った。セメントは、ホームセンターで安売りをした時に、これも軽トラで浜松の旧市街まで買いに行った。重量ブロックもホームセンターでは売っていないので電話帳で調べ、天竜川の河口近くにある製造工場まで買いに行った。軽トラは350kgしか積むことが出来ないため、片道約50kmの道を2往復した。このようにして材料を集め、いよいよ土台造りが始まった。穴掘りや生コンを造る作業を黙々とやっていると時々人がやって来て、「そんなに時間をかけてしんどい仕事をやるより重機を借りたり、生コンを買った方がよいのに」と言ってくれる。私は、そんな時「そうですね」と素直に応えた。しかし、心の中では「分かっていないなー」とつぶやいていた。私には、今はお金は昔のようにないが、時間は十分にあり、汗を流し体を動かし、すべて一人でやることが意味があり、また、気持ちがよく、満足感が得られるのである。


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