私の田舎暮らし121 昔の道具「大正鍬」

私の田舎暮らし121 昔の道具「大正鍬」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で9年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。  【写真】三つ鍬



私の田舎暮らし121 昔の道具「大正鍬」

(121)私の田舎暮らし 昔の道具「大正鍬」

 私が畑で三つ鍬を使っているとAさんの奥さんが「〇〇さん、その鍬は大正鍬だが、珍しいものを使っているね。どこで手に入れたの。」と言われた。実はそのときまで私は、その鍬が大正鍬であることを知らなかった。この鍬は、私が家の近くのクリーンセンターにゴミを出しに行った時に、鉄くずを集めた廃品の中から三つ鍬の金具の部分だけを係りの人に断り、もらってきたものである。これに山に行って鍬の柄になりそうな細い樫の木をもらってきて丈夫な柄をつけた。更に、その鍬の三本の歯は、右利きの人が使っていたと思われ、右端の歯が残りの2本に比べてちびて短くなっていたので、グラインダーで長い歯を削り、三本の歯の長さをそろえた。このようにして手を加えて使える状態にしたが、この三つ鍬は、丈夫で使いやすいので私はその鍬をよく使っている。最近、ホームセンターなどにある鍬は、見掛けは立派であるが、固い土や木の根などを掘り返すとすぐに三つ鍬の三本の歯が曲がってしまうことがある。しかし、この鍬の歯は、とても頑丈で多少荒っぽい使い方をしても歯が曲がることは少ない。このほかに私は、二枚目の写真に示すようなツルハシに似たような鍬もよく使う。この鍬もクリーンセンターで刃先を廃品の中からもらい、樫の木を削り丈夫な柄をつけたものである。この鍬は、筍を掘ったり、植木を植え替えるときに使うが、平たい歯の部分で竹の根や木の根を切ることができるので都合がよい。この鍬は、私の隣の方が山仕事で枝打ち作業をする時の作業道をつけるのに使っていたのを見たことがあるが、丈夫で木の根などを簡単に切ることができる。このような鍬は、春野町の昔の鍛冶屋さんが手作りで鍛造したものと考えられるが、何十年たっても表面はさびていても非常に優れたものであり、現在ではなかなか手に入らない貴重な道具である。しかしこのようなものが、廃品として捨てられてしまうのは、本当にもったいなく、残念でさびしい気持ちになる。また、鍬は、洋の東西を問わず、反乱や一揆の際には武器に使われた。 琉球空手では、鍬は刃物の所持が禁止された琉球において鎌と同じ唯一の刃物の付いた武具であると言われ、琉球古武術保存振興会により保存されている。中国武術の影響を受け、琉球古武術として農民たちの間で広く使われたという。鍬の先端の刃先や後部分や柄の部分で攻防を行ったり、鍬で土を掘ったものを相手にかけたりと特殊な技法を用いている。現在も福州や上海には鍬術を使う武術家が存在するという。
参考資料:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%AC
  


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この記事へのコメント
おはようございます。

「昔の物は出来がよい」などとよく云われますが、
それが実感できるレポートでした。
しかもどうやら、それは春野の鍛冶屋さんの手になるものとか。
よけいにうれしいですね。

琉球古武道は、農器具をもちいた武術だったとのこと。これも、わたしには初耳で、勉強になりました。
Posted by ミスター早石 at 2009年06月30日 08:42
タイちゃんさん こんにちわ。
「大正鍬」とは 初めて聞きます。同じ様な三本歯の「備中」というのはよく聞きますが・・・。
これを使われるとのこと。お元気ですね!。
小生これを使うことを考えただけで、腰が痛くなります。

拙宅にも小さな「刀鍬?」や「つるはし」が物置にありますが、使わなくなって久しく、錆びたままで、道具に申し訳ないと思います。

昔 気田には、金川の坂の下 突き当りと、上区の清原商店さんの向かいあたりと、計2軒の鍛冶屋ありました。
盛んに何か作っていましたが、どんな物を作っていたのかは思い出せません。

昔の小学唱歌の歌詞は時代とともに変化し、マイルドになっていますが、我々は 「村の鍛冶屋」を、”あるじは名高きいっこく者よ・・・”として習いました。
正にそんな感じの色黒の元気な主人が働いていました。
Posted by 尾張仁 at 2009年06月30日 17:13
ミスター早石さん、尾張仁さんこんにちわ。
春野には現在、犬居に鍛冶屋さんがあります。
しかしこの鍛冶屋さんは、お年もかなりめされているようで、注文もあまり受けていないようです。
佐久間や水窪には、今でも鍛冶屋さんがあるということを聞いています。
道の清掃などをやる役仕事の時には、昔、鍛冶屋さんに「さいがけ」をしてもらったというツルハシを持ってくる人がいます。
「さいがけ」とは、市販のツルハシを使いやすくするために刃の部分を切断して別の材料を入れて長くして鍛造したものですが、見てもどこを接いであるのか判りませんでした。
腕のよい鍛冶屋さんが、経済的にやっていけるような昔のような環境が出来るとよいですね。
Posted by タイちゃん at 2009年07月01日 05:42
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