私の田舎暮らし46 「椎茸・なめ茸2」

私の田舎暮らし46 「椎茸・なめ茸2」私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で7年目を迎えます。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(46)私の田舎暮らし 「椎茸・なめ茸2」

 菌打ちは、直径8.5mm、深さ20mmの穴を円周方向には間隔約5cm、木の長さ方向には間隔約15cmにドリルで穴を開け、この穴にガラス瓶の栓の形(くさび型)をした種駒を木槌で打ち込む事で行われる。この種駒は、木製でこれに菌が染み込ませてあるので、これにより原木に菌を植え付けることが出来る。ここで、円周方向より木の長さ方向の方が間隔が長いのは、菌が木の繊維に沿って回りやすいためである。菌打ちしたものは、出来るだけ乾燥しないように林の中の湿ったところに仮伏せしておき、時々天地を逆にして菌が出来るだけ広く原木の中に回るようにする必要がある。すなわち、完全に一度殺した(枯らした)原木に菌を打ち、菌を打った後はこの菌が原木の中で成長し、広がるようにするために、今度は一転して水分を十分与えるのである。私のこれまでの経験では、この時期に十分菌を原木に浸透させ、全体に出来るだけ回すことが、その後のキノコの収穫に大きく影響するのではないかと思っている。菌の回り具合は、原木の切り口に白い菌がついてくるのでこの状態を見ればかなり分かると思う。十分菌が回ったと判断出来たならば、これを写真にあるように林の中に本伏せするのである。私がAさんから入手する木は、直径が25cmを超える太いものもあるのでこの場合は、長さは50cmにして切断面を下にして地面に直接立てるようにしている。以上が椎茸の場合であるが、なめ茸の場合は、同様な方法で菌を原木に打った後、出来るだけ湿った場所に地面に直接寝かせる。これはなめ茸の場合、乾燥を嫌うので出来るだけ湿った状態を維持するためである。菌打ちは、椎茸もなめ茸も11月から翌年の4月ぐらいまでに行うのが一般的であると思う。収穫は、翌年の春にわずかに採れ,本格的に採れるのは秋からである。椎茸は春と秋の二度収穫できるが、なめ茸は秋だけである。椎茸は約三年収穫できるが、なめ茸は2年程度である。よい椎茸を採るには、よい菌を使うことと原木もある程度太いものがよいと思う。その他に適度な水分が必要であるが、雨が降りすぎると伸びすぎて水っぽくなってしまうし、反対に雨が少ないと成長が悪く傘に割れ目が出来てしまう。椎茸もなめ茸もあまり大きくせず傘が少し開いた頃に採ると香りが良く、歯ごたえがあり、おいしいきのこを収穫できると思う。椎茸は、春採れるものはどうしても虫に食われるが、秋のものは虫の被害は少ない。           続く      


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この記事へのコメント
いろいろ勉強されましたね。

昔春野では椎茸の原木に菌を打たなくても、ナタで傷をつけると自然に胞子が寄生し、椎茸が発生したそうです。
それも50年も昔の話ですが・・・。

今では菌打ちした椎茸も満足に発生しないのが現状です。菌が弱くなったのか?・気象条件が変わったのか?それとも原木の変化?
いずれも自然に一番敏感な「菌」の世界は、50年も前からその異変に気づいているようです。
人間は未だ気づかず。本当、鈍感な生き物だと思うばかりです。
Posted by 春野のしいたけ屋 at 2008年01月22日 07:56
山を歩いていると、林の中に椎茸の原木が並んでいる風景に出くわします。
ぼくなんか、それを見て、椎茸作りはのどかでいいなあ、なんて気楽なものですが、
実際には、生産者の皆さんは大変な苦労をなさっているのだなと、改めて感じ入りました。

「しいたけ屋」さんのコメント。興味深く読みました。昔は、それこそ、原木を転がしておくだけで採れたのですね。
生物界は敏感に反応しているのですね。人間もはやく気付かないと!!
Posted by 大阪の住人 at 2008年01月22日 09:28
シイタケ作り、私もやttみましたが、すべて失敗に終わりました。今、富士山北麓の山小屋のある庭で菌打ちしたのを数本たてかけてありますが、どうでしょう?
 富士山はキノコの宝庫なので、時節には森に分け入っております。判定できる方がいらっしゃるので、いつも鑑定してもらってから頂いているんですよ。
Posted by 平松ゲキト at 2008年01月24日 10:53
椎茸は菌打ちしてから半年間が大切ですね。
この間に菌が原木に活着しないと、いつまで経っても椎茸は出ません。

後は「直射日光」(高温)と「乾燥」を嫌います。近年は特に椎茸が採れません。。。
どうしてかな?と頭を悩ますばかりです。

野生のキノコ狩り。羨ましいですね。
近くに専門家がいないので、なかなか口にすることはありません。
Posted by 春野のしいたけ屋 at 2008年01月24日 18:01
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