私の田舎暮らし177 「我が家の自作の建造物」:特集

私の田舎暮らし177 「我が家の自作の建造物」:特集私は春野町で田舎暮らしをして今年の6月で10年目を迎えました。神戸で30年間会社勤めをし、定年後にこの地に家内と愛犬「タイちゃん」と3人で暮らしています。田舎暮らしをこれから始める方々に少しでも参考になればと思い、しばらく出来れば週一回(火曜日)に書かせていただきたいと思います。

(177)私の田舎暮らし 我が家の自作の建造物:「特集」ログハウス建設苦労話19

 写真に示すように、15畳のログハウスの天井の中央に太い梁が通されている。この梁をこの位置に上手に設置するのには色々苦労した。この梁は重さが100kgを超えると思われる。したがって人力で高い場所に上げることは無理なので、三本の細めの丸太で作った三脚の先にチェーンブロックを取り付けた手製の吊り上げ機でこの丸太を吊り上げ、人にも手伝っていただき、やっとのことでログハウスの両側にある桁に取り付けた。

しかし取り付けた後、注意深く両側の桁を観察すると、梁の重さのため桁が部屋の内側に傾いているのである。後で指摘されたことであるが、梁を桁に取りつける場合は、梁が載る桁の真下に必ず柱が来るようにして、更にこの柱の一部に梁の両端が乗るように取り付けることになっているのである。私はこのことを知らなかったので、梁の数を減らすために、二本の柱の中央に太い梁を一本設置したのである。色々調べたり近所の大工さんにも教えてもらいながら、時間をかけて建設したつもりであるが、家を建てることに関して基礎的な勉強をしていないため、このような基本的な過ちをおかしてしまったわけである。

この梁の上には、棟と母屋を支える束が乗りこの上に重たい屋根が載るのであるが、すでに屋根を乗せない状態で桁が内側に傾いてしまったのである。今更、柱の位置を変えることも出来ず困ってしまい、よくログを建設している人に相談した。その人は、梁の中央に柱を立て、この柱で梁の重みを取ることを提案してくれた。しかしこの柱は、部屋の真ん中に立つことになるので、部屋を使う上ではかなり邪魔になることが懸念された。色々悩んだ末、下した対策は、写真に示すように梁の両端の窓際に柱を立てる方法である。この方法は、柱が窓の中央に立てられ、しかも部屋から少し飛び出すことが欠点であるが、強度的には梁の重量を十分取ることが出来、またこの柱は部屋を使う上ではそれほど邪魔にならない。

早速、杉の丸太を二本用意して、皮を剥き、表面を布でこすってピカピカに磨いた。またこれを立てるための土台を土間に新たに作った。梁がこの柱の上面と接する所は、綺麗に接触するように面だしを行った。高い位置で正確に水平面を出すことは、かなり大変であったが、時間をかけて慎重に行った。二本の柱を梁の下に入れる工事は、梁の中央にもう一本、工事用の柱を立て、あらかじめ、梁を数ミリ上に上げておいた状態で梁の両端に補強用の柱を入れ、これを取り付けた後、中央の工事用の柱を取り除くことにより、うまく梁を両端の柱に乗せることが出来た。



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この記事へのコメント
梁の重力で、桁が傾いたときは、愕然となられたことでしょう。
それまでに注ぎ込んできた労苦が、ひょっとしたら水の泡になるかも知れないのですから。
それをいかに修正するか。
これは難問ですし、梁をのせるのと同じかそれ以上の重労働が予測されるのですから、
ぼくなんか、ヘナヘナとなるところです。

りっぱに克服されました。
100点を差し上げます。
Posted by 大阪の住人 at 2010年07月27日 09:17
梁の重力で、桁が傾いたときは、ほんとうに愕然としました。
約1ヶ月ほど対策を考えましたが、最終的に採った対策は、今でも納得がいくものだと思っております。
私は約30年間、企業で新製品の開発を行っておりましたので、一つのことを1年でも2年でも考えることは、苦痛には感じない性格になっているようです。
Posted by タイちゃん at 2010年07月27日 14:09
京丸のご本、興味深く読ませていただき
ました。あの著作は、熱い思いを足を運び、
関係の方々の話を聞かれ検証基づいた労
作だと思いました。
 民族学者の手法をとって記述されている
内容が、虚飾なく事実を端的に書かれてい
るために、かえって読み手の興味を引きこんでいくようなところがあり、面白く読めました。
 かつて同僚だった若い国語教師が、熊谷家のご厚意で宿泊させていただいた折の、
話を聞いていたせいで、余計このご著書の
内容が身近に感じられました。
 よいご本、家内も興味を持ち呼んでおりました。
 ありがとうございました。
Posted by ゲキト at 2010年08月01日 18:56
京丸のご本、興味深く読ませていただき
ました。あの著作は、熱い思いを胸に足を運ばれ、関係の方々の話を聞かれた上の検証に基づいて書かれたお作だと思いました。
 民族学者の手法をとって記述されている
内容が、虚飾なく事実を端的に書かれてい
るために、かえって読み手の興味を引きこんでいくようなところがあり、最後まで面白く読めました。
 かつて同僚だった若い国語教師が、熊谷家のご厚意で宿泊させていただいた折の、
体険話を聞いていたせいでしょうか、余計このご著書の内容が身近に感じられました。
 よいご本、家内も興味を持ち読んでおりました。
 ありがとうございました。
Posted by ゲキト at 2010年08月01日 19:02
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